面会予約の時間どおり6月29日金曜日2時、小金井市の前原小学校に着いた。すぐに校内に案内された。この日は見学会らしく、他にも見学者が40~50人ほどいた。
前原小学校は 総務省からクラウド・地域人材利用型プログラミング教育実施モデルの実証校に選定されており、金曜日をプログラミング学習の日としているという。「学校だより」で下記のように言われる如く、1年生から6年生までネットブックを使った授業が行われていた。
今こそデジタルテクノロジーを教育変革の中心において、教職員も子どももデジタルテクノロジーの可能性を十分に認識し、リテラシーとインテリジェンスを磨くことで変化に対する「主体性」が確立できるのです。この「主体性」の確立こそが、様々な教育課題の解決に向かう方法と意欲とを統合する力なのだと考えます。
(平成30年度4月6日発行)
所在地 小金井市前原町三丁目4番22号
電 話 042-383-1146 FAX 042-382-2046
校 長 松田 孝
〈平成28年度の指導の重点〉
○「子どもが皆元気 先生が皆元気」
今日の学校生活に満足し、明日の学校生活を楽しみにできる学校づくり
○「安全・安心」「わかりやすさ」「きれいさ」
3つのキーワードを具現化するために前に進む教職員集団
○「基礎的・基本的な学力と生活習慣の定着」
「やる気のある先生」が「やる気のある子ども」を育成
○「気づき、そして、実践へ」
体験学習を通して、気付かせ、それを生かす授業の工夫
〈本校の研究活動〉
平成26、27年度の小金井市教育委員会研究奨励校として、「進んで考え、表現する楽しさが感じられる算数指導の工夫~お互いに関わり合い、認め合える児童を目指して~」をテーマに研究に取り組み、研究発表会を行った。算数の授業を中心に、基礎基本を定着させ、学力を向上させるために、教師の授業力向上を目指している。
〈特色ある教育活動〉
・ICT機器の積極的な利活用(プログラミング教育等)による授業改善と情報モラル教育の推進
・野川などの地域や鵜原・清里の自然環境を活用した体験学習による環境教育の取り組み
・前原テスト等を活用した児童一人一人の基礎学力の現状把握とその獲得への働きかけ
・異年齢集団での縦割り活動の充実による「思いやりの心」の育成
・朝読書や地域・保護者の方々の協力による読み聞かせの実施による読書活動の推進
・リズムなわとび週間やマラソン週間などの取り組むによる体力向上の推進。
以上、平成28年版 小金井の教育から
前原小学校には
フェイズブックがあります。
5時間目は3年生と4年生のクラスを見学した。
3年生はスクラッチをやっていた。4年生は割り算をやっていたが、板書は使わずに、ネットブックでクラウド経由のソフトをつかっていた。
6時間目は4年生から6年生まで、すべてがマイクロビットをやっており、マイクロビット同士で無線通信する授業をしていた。もちろんマイクロビットも1人1ヶである。こうした授業を外部の講師ではなく、普通の担任が行っている。スタッフの育成はもっとも手間がかかることだ。3年目だと言われたが、ここまで来るのはさぞ大変だったろうと思う。
松田校長の方針は、ソフトを使っても答えを求めるようなことをせずに、過程を楽しめるような授業にしたい。板書による知識の伝達授業は低下していくだろうという。まったく同感である。教師が一方通行的に児童に教える形ではなく、共に考え自分で考える形しかもう役に立たなくなるだろう。
授業参観の後で、見学者全員を集めてミーティングがあった。その席上で、1年生、2年生はビスケットをやっているとの説明があり、金曜日には全校を上げてネットブックを使った授業をしているとのことだった。
各ネットブックには名前が書いてあり、各自がいつも同じネットブックが使えるようにしている。これは1人1台だからできることだが、わが松田小学校も是非こうしたいものだ、と垂涎のまなざしで見てきた。また、全員にアカウントをもたせているのも、校長しか外部とメールのやりとりが出来ない松田小学校とは、何という違いだろうかとため息が出る思いだった。
圧倒的な資金量の違いで、松田小学校と比べるのもおこがましいが、目指している方向性はほとんど同じだった。
テキスト言語の必要性も感じておられるようで、将来的にはジャバスクリプトをやりたいと言われていたが、松田小学校ではすでにプロセッシングに手をつけている。それにしてもカリキュラムの確立が急務である。
実験校に指定されいるせいか見学者が多い。今日の見学者の多くは小学校の教員のように感じたが、教育IT産業の関係者も何人かいた。4年生のクラスだったか、教室の後ろの隅っこに段ボールで囲って閉じこもっている児童が、なかでネットブックをやっているのが印象的だった。
以上、2018.7.2 サイトの管理人記