プログラミング・デイ(=P・D)の経緯

2016年  2017年  2018年

2016年

  松田小学校で何ができるか、それから手探りをはじめた。さいわいにタブレットが導入されており、1人1台の環境が整っていたので、 タブレットで動く Hour of Code をやってみることにした。
  講師を CA Teck Kids から招き、主講師とサブ講師2人の3人体制でスタートした。 1クラス30人弱の<まつだっち>にプログラミングを教えるには、つまずいた<まつだっち>をアシストするサブ講師が不可欠だからである。CA Teck Kids の講師たちは、 西田慶子ICT支援員とも協力しながらチームワーク良く授業をおこなってくれた。
  <まつだっち>にプログラミングのおもしろさを知ってもらうためには、スクラッチの授業を行いたかった。しかし、パソコンが20台しかなく困っていたところ、 CA Teck Kids が13台のパソコンを無償で持ち込んでくれ、第2回目はスクラッチをおこなうことができた。 この年は2クラスだったので、午前の3・4校時と午後の5・6校時の2コマ(90分)を授業にあてた。



2017年

  プログラミン的思考を養うのが目的であり、コーディングを覚えることが目的ではないという。もちろん正解である。しかし、 スクラッチでは将来性に限界があり、テキスト言語への移行を射程においたカリキュラムを作成したかった。
  <まつだっち>たちが卒業した後のことを考えると、 地域へのプログラミングの浸透もはかりたかった。言いかえると高校生くらいになったら、 大人たちにパソコンを教えることができる環境作りを目指したかった。そこで向こう5年にわたり、年10回のプログラミング授業をおこなう提案をしたところ、 小林校長は快く受け入れてくれた。

  1)テキスト言語への移行、2)地域への浸透
を考えながら、改めて講師を探したところ、(株)テントが下記のような提案をしてくれた。

授業回 言語 学習内容        
ビスケット プログラミングの楽しさを学ぶ。水族館を作る。
2~4 スクラッチ 繰り返しや条件分岐などのプログラミングの基礎を学ぶ。主にゲーム作りを行う。
5~10 プロセッシング 文字入力による本格的なプログラミングを学ぶ。主にいろいろな図形の作成を行う。

  (株)テントは徳島県神谷町へも案内してくれ、地域への浸透にも理解をみせた。 メイン講師1名、サブ講師2名という提案も妥当だと思えたので、講師を派遣してもらうことにした。 今年の6年生は3クラスあるので3コマとなり、講師派遣料も若干上乗せすることになった。また、遠くから来る講師のために、前泊費用も負担することにした。
  しかし、授業開始前になるとサブ講師2名が確保できないらしく、1名分は大学生2人で代替しても良いかと問い合わせてきた。 聞けば、電気通信大学の4年生2人で、「プログラミングと子供」をテーマにして卒論研究しているから充分に役に立つという。 プログラミングができる情報学科専攻だというので、学生2人で講師1人の代役として了承した。
  学生らが所属する久野研究室で、 <まつだっち>を対象にアンケートをとりたいという。 また、研究成果を外部に発表したいというので、松田小学校に許可申請書をだしてもらうことになった。

  地域へのプログラミングの浸透は、授業にボランティアの方の参加をつのることを始めた。松田小学校の広報ルートによって、 2人のボランティアの方が参加して下さり、2回目からは松田小学校のOBが1人参加して下さることになった。ボランティアの方々が地域のキーパーソンになって頂けることを祈っています。
  6月8日から予定通りに授業が始まった。その後の授業は、今までの記録をご覧いただくとして、 教材の著作権を保持したいので契約を結んで欲しいという要望が、夏休みのあいだに(株)テントからでた。後日、教材を書籍として出版したいらしい。契約書の下案をつくり(株)テントの同意をとり、 松田小学校には教育委員会の承諾をとっていただいた。 9月7日に、サイト管理人、松田小学校と(株)テント間で9項目からなる三者契約をむすんだ。

  契約の主な項目は下記のとおりです。


  9月7日の授業後の打ち合わせで、講師から 授業報告をメール(文書)であげてもらう約束をした。  2017年9月10日 記 

6年担任教諭と打ち合わせ

  今まで小林校長とは去年から何度も打ち合わせを重ねてきた。しかし、各クラスの担任教諭とは立ち話をするくらいで、 残念ながら打ち合わせをもったことがなかった。 現場との意思の疎通は不可欠なので、9月24日に忙しいなかをお三方に集まって頂いた。
  やはりお三方が心配されていたのは、取り残される<まつだっち>をどうするかであった。希望者だけが集まる民間の塾や教室と異なり、公立小学校ではどんな科目でも進度の違いがでてくるが、 遅れてしまえばプログラミングが嫌いになってしまうだろう。
  全体の進度を見ながら復習の授業をもうけたりして、最初のカリキュラム進行に拘らないようにとの意見をもらった。 そのとおりだと思う。今後、Micro:bitを2コマとプロッセシングを4コマ予定しているが、必ずしも予定をすべて消化する必要はない、と確認した。


連絡ミスと約束

   9月7日に約束した講師からの授業報告があがってこないと思っていたら、講師・学生たちと管理人との間ではSLACKをつかって連絡しているが、 チャットソフトSLACKの設定ミスが原因だった。澤田千代子講師は翌日にはSLACKに上げてあったらしい。 新しいソフトを使うときには問題が起きがちで、これは今後の反省点である。前回まででスクラッチは終わり、Micro:bitをつかった授業になった。 授業の様子は<今までの記録>を参照してください。
  給食を食べながら、ボランティア、講師・学生に今までの経過を報告し、契約の内容を説明したりして意見交換をした。 2017年10月2日 記 

2017年を終えて

  テキスト言語の学習を射程においたプログラミング学習は、まだ公立小学校のどこでもやっていない。これは全国で初めての試みだった。 公立小学校でプログラミング学習をするにあたって、我々サポーターたちは何も分かっていなかったと感じる。 そんななかでも<まつだっち>たちが、プログラミングを楽しんでくれたのは本当に幸運だった。詳しくは<まつだっち>の声を読んでください。
  ビスケット、スクラッチ、マイクロ・ビット、プロセッシングと総花的にやってはみたが、講師たちもこんなプログラミング言語もある、 あんなプログラミング言語もあると示すだけだった。我々はプログラミングの何を伝えるかが分かっておらず、 プログラミングにふれさせるだけで精一杯だったと、素直に反省している。
  しかし、難しいけど楽しかったというアンケート結果が示すように、<まつだっち>たちの適応力と理解力は驚くべきものだった。 小学生には難しいから止めておこうとなりがちだが、<まつだっち>にはそんな心配はまったく無用だった。 今回の経験はほんとうに貴重なもので、2018年に向けて大きな財産をもたらしてくれた。
  松田小学校のプログラミング教室は多くの人に支えられている。 今年度は担任ボランティアの方々との連絡が不充分だったと反省している。 教材などを事前に配布する配慮を忘れたり、内容を授業の前に説明しなかったり、支えてくださった方々には申し訳ないことをしてしまった。 今後は連絡をもっと密にし、サポーター全員で取り組むべきであると思う。
  ところで、(株)テントの代表:竹林暁講師が9月の途中で、 講師は1人しか派遣できないとメールしてきた。 呼びだして話しあい約束通り2人確保させたが、以降たびたびサブの講師が変わり、代表以外は戦力となっていないように感じた。 約束を誠実に遂行しないことが多く、ほんとうに残念ながら信頼度は下がる一方となった。
  最終回終了の時点で契約の更新を確認すると、(株)テントの代表:竹林暁講師は講師料が安いという理由で更新を拒否した。 5年契約の1年目が終わっただけで、契約は4年も残っている。違反をとがめ立てしても、徒労感がのこるだけである。 講師を探して何社かあたった結果、2018年はスマイル・ミー(株):SMILE TECHにお願いすることにした。    2018年5月27日 記 



2018年

  2018年3月で、小林校長が定年退職された。プログラミング・デイは小林校長がいたからこそ、 始めることができたと思い本当に感謝しています。また<まつだっち>たちと一緒に机を並べて、プログラミング学習に取りくむ小林校長の姿は、 未知のものへの尽きることのない好奇心の大切さを教えてくれました。今年からは寄小学校の校長だった小塚亮一校長が、 我々と一緒に取りくんでくれるので、今までにも増して学習が深まると期待しています。
   プログラミング・デイで何を伝えるか、それは筋道を立てて考える習慣だろう。何とはない印象で終わるのではなく、 一つの出来事になぜかと疑問を感じ、それを論理的に考え突き詰めていく。そんな習慣を身につけて欲しいとおもう。 ソフトの使い方よりも、考えることに面白さを見いだしていく、そんな結果になれば幸甚だ。
  去年の秋、グローバル・インディアン・グローバル・インターナショナルスクールを見に行って学んだのは、 プログラミングの授業は6年生の1年間だけでは不充分だということだった。教材はあいかわらず試行錯誤であるが、松田小学校でも2018年は6年生の10回に加えて、 5年生に対して4回の授業を行うことにした。
   去年掲げた目標は、1)テキスト言語への移行、2)プログラミング学習の地域への浸透、だった。 テキスト言語への移行は、<まつだっち>の声を読んでもらえれば分かるように、充分に可能だと言うことが分かった。 このまま進めていけば、来年にはもっと充実できるだろうと思う。しかし、プログラミング学習の地域への浸透は、 まったくと言って良いくらいに不充分だった。今年講師を派遣してくれるスマイル・ミー(株):SMILE TECHの山口勇太代表も、 幸いにもプログラミング学習の地元化を目指しているというから、今年は地元への浸透も充実できるだろうと期待している。     2018年6月3日 記 

文責  サイト管理人 永山 裕